廃棄と原状回復
いちばん高い処分は「運んでから捨てる」です。順番を変えるだけで費用が下がります。
出る前に捨てる
移転作業の費用は、運ぶ量に比例します。したがって、捨てるものを先に減らすほど安くなります。
捨てる判断の順序:
①法定保存期間が過ぎた書類。種類ごとに保存期間が決まっています。期間内のものは捨てられませんので、まず仕分けが要ります。
②使っていない什器。「いつか使うかも」は、移転を機に終わりにする。
③型落ちのIT機器。データの消去が必要です。処分方法は後述。
④販促物・在庫の残り。移転先で場所を取ります。
①は時間がかかるので、移転の3か月前から始めてください。直前ではまず終わりません。
事業系ごみの扱い
重要な前提として、事業活動から出るごみは、家庭ごみとして出せません。自治体の収集には出せず、許可を持つ処理業者に委託する必要があります。
確認する項目:
・依頼先が産業廃棄物の許可を持っているか。無許可業者への委託は、委託した側の責任も問われます
・マニフェスト(産業廃棄物管理票)が発行されるか
・品目ごとの単価と、収集の回数
・什器のうち、買い取ってもらえるものがあるか
最後の点は見落とされがちです。状態の良い什器やIT機器は、廃棄ではなく買取になることがあります。処分費がかかると思っていたものが、逆に収入になる場合があります。
IT機器はデータ消去の証明を確認してください。物理破壊か、専用ソフトによる消去か、証明書が出るか。
原状回復の進め方
①契約書の原状回復条項を読む。ここがすべての起点です。範囲の解釈が費用を決めます。
②入居時の写真・図面を探す。「入居時からこうだった」を示せるものがあるか。
③指定業者の有無を確認する。指定なしなら相見積もりが取れます。
④見積もりを項目ごとに出してもらう。「一式」の見積もりは比較できません。
⑤貸主と範囲をすり合わせる。工事を始める前に。始めてからでは戻せません。
⑥立ち会いをする。完了確認は必ず自社の人間が行う。
揉めるのは④⑤を飛ばした場合です。「終わったので請求します」となってから交渉するのは、極めて不利です。
一時保管という選択
移転先の内装が間に合わない、什器の納品と旧オフィスの明け渡しが重なる、といった場面では一時保管が現実的な解になります。
・引越し業者の一時保管サービス
・トランクルーム
・冷蔵・冷凍が必要な商材があるならレンタル機器(飲食・食品を扱う事業の場合)
保管費用は日割りで発生するので、いつまで預けるかを先に決めることが前提です。期限を決めないまま預けると、「そのまま数年」という状態になります。
冷凍・冷蔵機器のレンタル料金を確認する
法人・家庭どちらも対応。期間と設置条件をご確認ください。
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